被写体をしっかり目立たせるには「絞り」が大事

動物園やサファリパークなど屋外にいる動物を撮影するときには、室内のように自由に光加減を調節することができないのが面倒です。
屋外で人や動物などを撮影するときによくある失敗が、「逆光のせいで被写体に影がかかって見えにくくなってしまう」ことや「背景に被写体が埋もれてしまう」といったことです。

室内での撮影がやりやすいのは、背景から物を取り除いて写したいものだけをそこに存在させることができるからです。
ですが屋外では木々もあれば檻や建物など数多くのものが同時に写り込んでしまうことになります。
そうした屋外での撮影をうまく行うためにマスターしておきたいのが、被写体にだけ焦点を合わせる「絞り」の調整方法です。

多機能のデジカメなどでは「オートフォーカス機能」で自動的に遠方のものと近くにあるものの両方に素早くピントを合わせることができるようになっていますが、それをそのまま使ってしまっては迫力のある動物の写真を撮ることはできません。
脱初心者を目指すという意味でもこの「絞り」をマスターすることは必須のスキルです。

屋外での絞りの基本をマスターする

まずそもそもの話として「絞り」とはどういうものかということについて簡単に説明します。
プロの撮影した野生動物の写真を見ると、手前にいる動物はしっかりと写っているのに背景はぼんやりと輪郭がはっきりしない状態で写っていることがよくあります。

オートフォーカス機能のあるカメラで撮影をすると、手前にいる人物も背景となっている景色も同じようにはっきり見えるのに、どうしてプロの写真は手前のものと奥のものが違って見えるんだろうと不思議に思えてしまいます。

これはプロのカメラマンはカメラのレンズの機能を自分で調節をして手前のものだけにピントを合わせるようにしているため、一枚の写真の中にはっきり見える部分とそうでない部分が生じているからです。
近視で普段メガネやコンタクトをかけている人ならわかりやすいと思いますが、裸眼で見ると近くのものははっきり見えるのに遠くのものはぼんやりしてよく見えなくなります。

カメラの「絞り」の調整というのはいわばこうした「近視」の人のものの見え方を意図的に行うということで、近くのものだけをはっきり見せることによりその写真の主役となる被写体をより鮮明に目立たせることができるようになります。

「ポートレートモード」をうまく使う

一眼レフカメラなどレンズの機能が高性能のタイプでは、手元でレンズの調節器を回転させることでどこにピントを合わせることができるか自分で調節をすることができるようになっています。
虫や植物のようなより小さなものをよく撮影するという人は、思い切ってそうした高性能な絞り機能のついたレンズを購入するのがおすすめになります。

そこまでいきなりお金をかけることができないという人に便利なのが、デジカメに付けられている「ポートレートモード」です。
ポートレートモードでは手前にあるものに自動的にピントが合い、背景が自然にボケるようになっているので手軽に目の前のものだけを目立たせる写真を撮影することができます。

動物園でもう一つ苦労するのが手前にある檻の枠ですが、これを完全に消すのは難しいためできるだけ檻の近くに行き隙間からレンズを合わせるようにするというのが一番の方法です。

ポートレートモードやレンズの絞りにより手前の檻をぼかすこともできますがその場合モヤっとした線が写り込んでしまうので完全に取り除くことはできません。
ですのでそうした背景もうまく撮影に生かしていきたいところです。